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第24話 色と感情
へこたれない女
過去に観た映画の中で忘れられない映画があります。「風と共に去りぬ」(Gone With the Wind )は南北戦争という「風と共に」、当時絶頂にあったアメリカ南部の貴族的白人文化社会が消え「去った」ことを意味する時代長編小説です。
映画の主人公スカーレット・オハラは裕福な家庭に育ち、持ち前の美貌で周りの男性にちやほやされて育ちます。しかし南北戦争の敗戦で財産を全て失い、波乱の人生を送ることになります。スカーレットは気が強く、自己中心的だけど極めて商才のある才女で、また男性の心を掴む技術に長けていました。困難も「情熱」で生き抜いていく強い女性です。
映画のラストシーンは忘れられないものでした。娘と親友を失った彼女は失意のどん底でした。やっと夫への愛情に気づいたときには、夫から別れを切り出され、夫は彼女の元から去ってしまいます。全てを失った彼女はひとり家に取り残されます。ラストシーンで、泣きじゃくる彼女が顔を上げて言った言葉はTomorrow!でした。「明日のことは明日考えよう」まさに「明日は明日の風が吹く」でした。
主人公スカーレットの「へこたれない女」ぶりは、思わずあっけに取られながらも、どんなときにも実は自分の中にある「人生への希望」を感じ、勇気づけられた観客も多かったのではないでしょうか。最後の最後まであきらめない執着心、いつもポジティブでへこたれない。こんな気の強い女性は嫌だな~、と心で思いながらも、彼女の生き方にどこか強烈な光を感じた方も多かったのではないか、と思います。
昔の女性はアメリカでも日本でもこういうスゴイ女性がいたのですね。60年経った今でも名作といわれる所以は、へこたれない女性像にあるのかもしれません。ビビアン・リー演じるスカーレットですが、本当になんてピッタリな名前をつけたものかと作者を尊敬してしまいます。なぜなら「スカーレット」は黄みがかった赤色の色名でもあるのです。
日本語名は緋色(ひいろ)といい、茜染めの色です。英語名スカーレットは、コチニールによる染めの色と言われ、起源は1250年頃までさかのぼる伝統的な色名です。炎のような赤から連想する、情熱、サバイバル精神、自己主張、華麗、エネルギーといったイメージはスカーレットの性格に重なります。まさにレッドの色そのものの意味が「スカーレット」なのです。
生まれたばかりの赤ちゃんは真っ赤な顔をして泣きます。その生きるエネルギー、もしくは生きていかねばならぬレッドのエネルギーからも「赤ちゃん」と呼ばれています。お母さんのお腹の中でじっとしていても栄養を与えられていたところから、人生のサバイバルのドアが開いた瞬間といえるでしょう。
私たちの身体にはチャクラがありますが、レッドは第1チャクラで表され、私たちが大地と繋がる足から生殖器の部分に当たります。レッドはまさに生きていくために必要なエネルギーそのものを表します。日本という国を例にとっても、生きていくために必死だった時代はレッドの時代と呼ばれ、人々は第1チャクラで生きていました。
その後、国に依存するオレンジの時代に突入しますが、これは第2チャクラで表されます。のちに「個人」を主張する第3チャクラのイエローの時代に移ります。第3チャクラが活発に作動していた頃は「自分」という個人を表現する人が増えました。そして現在は第4チャクラのグリーンの時代といわれています。第4チャクラのグリーンが表すものは「調和」です。個人の時代から全体へと移行してきているのが世界的にも伺えますね。
インターネットの普及で世界が簡単に繋がったことも大きな要因でしょう。実はみんな繋がっている、One ness(ワンネス)という感覚を、思考、感情、行動を通して世界中でシェアし始めたのかもしれません。マヤ暦でも2012年をひとつの区切りとしていますが、そこが「調和」の時代というのも大きな意味を感じます。
色は時代・感情を表します。今回焦点を当てたレッドは、私たちが生きていく為に必要不可欠なエネルギーを表します。でもそこはスカーレットを見習って、 Tomorrow is another day(明日は明日の風が吹く)的な心の余裕が、サバイバルな人生を楽(らく)に楽しむことを教えてくれるのかもしれません。