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第15話 宇宙的色彩論
詩人として知られる ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは色彩論を確立し、それを教育分野でも有名な ルドルフ・シュタイナーが宇宙的色彩論として発展させました。この2人から、色彩を哲学として考えてみたいと思います。
古典力学全盛期の19世紀、「色は光の中に最初から含まれている」という、光をプリズムで物理的に分解したニュートンの色彩論に対し、 約100年後の1810年、ゲーテは、「もしもこの世界に光だけしかなかったら、色彩は成立しない、もちろん闇だけでも成立しない、光と闇の中間にあって、この両極が作用し合う境界のなかにこそ、色彩は成立する」と、痛烈に反論しました。
ゲーテの色彩論において、色彩は「光の行為」として捉えられています。色彩は数字や方程式であらわせるような、単なる主観でも単なる客観でもなく、人間の眼の感覚と、自然の光との共同作業によって生成するもので、色は生きているのだと主張したのです。
教育者としても有名なルドルフ・シュタイナーは、ゲーテの色彩論の自然観に精神科学と神秘学を加えた独自の宇宙的色彩論を発展させます。
シュタイナーは、色彩を考察するには、心魂の中へと高まる必要があると明言しています。人間とアストラル体(感受体、心魂体)は、色彩から区別されず、それらは色彩の中に生きているとシュタイナーは述べています。
シュタイナー曰く、「色彩と共に生きる」ということは、たとえば漂う赤や青の中に心魂を沈潜することで色彩の内的な生命力を体験できる、と述べています。そうすることで、色彩の流れは私たちにとって生き生きとしたものとなります。
笑っている人間のなかに笑いの力があるように、色彩のなかに存在するものを発見し、それに生命を与えることができれば、色彩の流れは生き生きしたものになるのです。
闇が光を圧すると、弱さと物憂さを感じ、反対に光が闇を圧すると活気を感じます。人間が成長しようとしているときは、人間の内面で光が闇を圧し、逆に不精になるときは闇が光を圧しているのです。
人は、内面に色彩の輝く世界を浸透させることで、さらに生命は成長していくのだという、色彩と精神世界との関わりを体系的にした宇宙的色彩論としてシュタイナーは記しています。「人は色彩と共に生き、色彩と共に成長する、色彩を感じることそのものが生きることである」、というメッセージをシュタイナー宇宙的色彩論は述べています。
色は宇宙の言語とも言えるでしょう。私達の日常の中でも昔から色を使った言葉はたくさんあります。
「ブルーな感じ」 feeling Blue、
「激怒する」 seeing Red、
「顔が青白くなるほど人をうらやむ」 being Green with envy、
「とても元気な」 in the Pink、
「ポジティブに考える」 think Pink
色は私達の普段の生活に無くてはならないものになっています。澄み切った青空も、美しい緑の木々も、色とりどりの花々も、私達の心に「感じる」ということを教えてくれています。
また、色彩は光であり波長を持った電磁波の一種です。「波長が合う」という言葉があるように色と人間の波長関係においても、それは当てはまります。波長の合う者同士は一緒にいて気分がいいように、色のもつ波動が自分自身のエネルギーとなったり、感情を助けてくれたり、心地良く感じたりします。シュタイナーの述べているように「色彩を感じることそのものが生きること」なのかもしれません。