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第23話 色とココロの関係
奥さんを変える前に壁の色を変えよう!
ある新婚のご夫婦のお話です。婚約中は仲良しだったのに、結婚して一緒に暮らすようになってから、自宅でご主人を待つ奥様の機嫌がだんだん悪くなってきました。ご主人は理由もわからずどうしていいか分からず友人に相談しました。その友人はカラーコンサルタントでした。友人はご夫妻の家を訪ね、奥様にも会っていろいろな話をしました。その結果、その友人はご主人に離婚を考える前に壁の色を変えるようにアドバイスしたのです。
カラーコンサルタントのアドバイスに従い、壁の色を淡い暖色系に変えてから奥様はだんだんと落ち着き、機嫌のよい優しい昔の彼女になった、ということです。めでたし、めでたし・・・これは色彩活用として「色彩調整」という分野が注目を集めていた頃の有名なエピソードです。毎日見ている色が私たちのココロに大きく影響を与えていることがわかります。
また、ロンドンのある工場で女性労働者の欠勤率が異常に高く、カラースペシャリストが調査したところ、工場で使われている青い光が原因で身体の具合が悪くなる人が増えていることがわかりました。その後、灰色の壁を明るいベージュに塗り替え、青い光を中和したところ欠勤の問題が無くなったそうです。その後、この工場は至る所に色彩を活用していきました。
灰色の機械を明るいオレンジ色に塗り替えたところ、それまで不満ばかりを言っていた工員たちは歌いながら仕事をするようになったそうです。また、工場のカフェテリアが寒い、と工員たちが訴えていたので、壁の色を薄いイエローオレンジに塗り替えた結果、同じ温度設定なのに従業員が寒いと言わなくなったそうです。そんな色彩活用が職場の雰囲気を良くし、事故も減り、会社の売り上げも驚異的に伸びたそうです。普段目にする色が、いかに私たちのココロに作用しているのかがわかります。
お天気のいい日は気分がいつもより元気になります。それは視界に入る全てのモノに太陽の光が加わって、たくさんの色が目に入ってくるからです。真っ青な空のブルー、光が差し込んでいる緑の木々、海にも、ヨットにも、ビルにも、お花にも、人間にも光が差し込んで、たくさんの美しい色が私たちの目に飛び込んできます。まさに色と光が私たちの心を元気にしてくれます。反対に雨の日は空の色はグレーになり、光はなく、私たちの視界から色が減ることで何となくココロが沈んでしまいます。それほど視界に入る色は私たちの意識に大きな影響を与えているといえます。
以前、色彩の活用は特に産業界の効率アップに開発されてきましたが、今では病院、教育現場、企業、テーマパーク、デパート、スーパー、至る所で当たり前のように活用され、私たちはそれを自然に受け取っているのです。有名ホテルなどは和やかでくつろげる明るいムードを出すために、カラーダイナミクスと呼ばれる色彩力学が使われています。カラーデザインは航空機や豪華客船にも使われ、適度な光の反射や色によって、乗り物酔いや密室恐怖症を和らげるのにも役立てられています。
また、色彩理論に「記憶色」という言葉があります。人は事物の色を記憶する際、実際の色より自分のイメージに近づけた色を記憶する習性があり、その色のことを記憶色といいます。例えば空の色や花の色も、実際の色より一段階色を鮮やかに記憶しています。それは、そうであって欲しい、という私たちのイメージの色です。私たちは潜在意識の中で心理的に色を記憶しているのです。
色彩心理学は色とココロの関係です。日常にあるたくさんの色を私たちは潜在意識で受け取っています。意識の中で90%を占める潜在意識は見るもの、聞くもの、思うことを当たり前のように自然に受け取ってしまいます。その昔、N.Yの服飾デザイナー、レーモンド氏は長年色の効果を信じ、早くから洋服に色を応用した人です。私たちが色を使いこなすことで劣等感や落胆といった気持ちも治せると考え、色とココロの関係を洋服にいち早く取り入れた方です。
自分に似合う外見の色を知るパーソナルカラーはそれに近いものでしょう。自分を引き立たせてくれる色を身に着けることは自信に繋がります。人の第一印象は初めて会ったときのたった3~5秒で決まり、その情報の殆どをVisual(視覚)から得ているといわれています。私たちは、1番に見た目、 2番めに口調、3番めに話の内容、という感じで自然に相手を判断するそうです。
外見も内面も自分にとってベストカラーを知ることは、自分の人生を彩るひとつの賢い方法かもしれません。ココロが若返ると人はキレイな色を選ぶ傾向があります。キレイな自分の色(パーソナルカラー)を身に着け、自然の色を意識的に見て触れることは潜在意識にも働きかけてくれます。色を上手に活用して、自分のココロも外見も元気に彩っていきましょう!